総務省が28日発表した8月の完全失業率(季節調整値)は前月より0・2ポイント悪化し、3・8%だった。失業率が悪化したのは昨年9月以来11カ月ぶり。総務省は、これまで職探しをあきらめていた若年層の女性が景気回復で新たに求職活動を始めたことが失業率上昇の主な要因と分析しており、「雇用情勢改善の動きは変わっていない」(統計局)という。
女性が0・4ポイント悪化の3・7%と大きく上昇。男性も3・8%で0・1ポイント上昇した。年齢別では、15〜24歳の女性が8・4%と、前年同月より1・5ポイント悪化した。
失業率の上昇幅が0・2ポイントとなったの平成16年7月以来。専門家の間でも「悪化は一時的で、緩やかな低下傾向が続く」(民間エコノミスト)との見方がある。完全失業者数は、前年同月より23万人減の249万人、就業者数は19万人増の6446万人だった。
一方、厚生労働省が同日発表した8月の有効求人倍率(求職者1人に対する求人数、季節調整値)は前月より0・01ポイント低下の1・06倍。正社員の有効求人倍率も0・01ポイント低下の0・61倍。
都道府県別で最も高かったのが愛知県の1・99倍、最も低いのが沖縄県の0・44倍だった。
舛添要一厚労相は同日の閣議後会見で、失業率悪化について「若い人が職探しを始めたものの、景気回復でより待遇のいい仕事に就こうという考えから、就職には結びつかず、(失業率の)足を引っ張る形となった」との見方を示した。
社会保険庁職員による年金保険料などの横領・着服問題について、舛添要一厚生労働相は11日の記者会見で、「刑事告発は7年の時効の壁で無理だ」と述べ、横領職員の刑事告発を断念する考えを明らかにした。舛添氏は4日の会見では「今からでも刑事告発する」と明言していただけに、トーンダウンした印象だ。野党からは「時効は最初から分かっていたはず。国民うけすることをパフォーマンスで言っていただけ」との冷ややかな見方が出ている。
社会保険庁は10日、約5000万件の該当者不明の年金記録のうち、1割強に相当する約524万件について、氏名が登録されていなかったと公表した。
舛添要一厚生労働相は11日の閣議後記者会見で、年金手帳と健康保険証、介護保険証の役割を兼ねる「社会保障カード」導入に向けた基本計画策定のため、有識者でつくる「社会保障カードの在り方に関する検討会」を設置する考えを明らかにした。9月末に初会合を開く方向で、人選などを急ぐ。
舛添氏は「検討会を中心にして広く国民の声を聴き、年内に基本構想をまとめたい」と強調。検討会で取り組む課題として(1)プライバシー保護やセキュリティー確保(2)具体的なカード活用などの制度設計(3)費用分担−の3点を指示したことを明らかにした。
社会保障カードは年金記録不備問題を受け、安倍晋三首相が7月に打ち出した対策に盛り込まれた。政府は平成23年度中の導入を目指している。
内閣府が八日付で発表した「国民生活に関する世論調査」で、「日常生活で悩みや不安」を感じている人が69・5%に上り、昨年十−十一月実施の前回調査を1・9ポイント上回って過去最高を更新した。具体的な悩みや不安の内容(複数回答)でみると、「老後の生活設計」が53・7%と半数を超えて最も多く、「自分の健康」の48・3%を上回った。
内閣府は「少子高齢化社会が進む中で、年金記録不備問題などが影響して不安が増えたのではないか」と分析。七月の参院選で年金問題が争点になったことも背景にありそうだ。
政府に対する要望(複数回答)では、「医療・年金などの社会保障構造改革」が72・4%とトップで、「高齢社会対策」が55・8%で続く。「景気対策」は49・6%で三番目だった。
調査は一九五八年から行われ、今回は今年七月五日から二十二日にかけて全国の成人男女計一万人を対象に実施し、回収率は60・9%。
年代別でみると、「悩みや不安」を感じていると回答したのは、五十歳代が76・2%、四十歳代が71・2%といずれも七割を超え、老後を控えた世代の危機感の強さがうかがえる。
自分の生活程度では、「中」や「上」と考えている人が前回より減ってそれぞれ89・7%と0・9%になる一方、「下」が増えて7・2%に。内訳では「中の中」53・8%、「中の下」26・2%、「中の上」9・7%。
さらに昨年と比べた生活感については「低下している」が24・5%、現在の生活に対する満足度は「不満」が36・0%。それぞれ前回調査より2・4ポイント、3・5ポイント増えており、生活実感はやや厳しくなっているようだ。
関連
国民生活に関する世論調査(平成19年7月調査)

